アクィナス 1225〜1274
南イタリアの領主の子として生まれる。5歳の時から、修道院で教
育を受ける。18歳の時、家族の反対にあったが、ドミニコ修道会(托 鉢修道会)に入会した。しかし、城に軟禁される。20歳になると、家
族の賛成を得て禁を解かれ、師匠のアルベルトゥス・マグヌスの下で
学ぶ。30歳代でパリ大学神学部教授を任された(1252年)。そして
神学大全の執筆に入る。
アクィナスはアリストテレスの存在論を発展させ、形相はより先に、
質料はより後にという存在の比類性を明確にした。そして、5つの説 明により、神の存在証明を試みた。又、事物の原因は神の意志であ り、超越性・観念性・目的性という命題を立てる。そこでは、事物の
世界・存在・働きに先立つものは神の意志であるという。
アクィナスの神学はキリスト教の神学とアリストテレスの合理主義
を総合するものであった。これは、体良く結合したものではなく。神学
伝統派と合理主義急進派の渦中にもあり、必要に迫られ執筆された
ものである。最期に「私が学び、説き、労したのはすべてあなたへの
愛でした」と、神への告白をし、臨終したという。49歳であった。
        
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