孔子 前552〜前479
孔子は『仁』(人を愛する心)を説く人である。否、仁の人である。 本名は孔丘といった。ある時、馬屋が火事となり、大きな被害を受
けたのだが、孔子が開口一番発した言葉は、『怪我はなかったか』。
と言われている。彼は社会的には役人という肩書きがあったが、全
く特別の人ではなかった。今でいう市長や知事にまで昇りつめたが、
彼ははっきりとした理念や政策をもっていた。
『有教無類』(まず、教えがあって人間の価値には善も悪もないの
だ)。なにか難しい話しになってしまいますが。つまり、人間は教育
的政治的に救われるものなんだ。と言う。このあたりは宗教に思い
悩む人々にも一助となるかと思います。もちろん孔子は神への畏敬
の念を絶やさなかった。彼が遊説生活を始めるのは50歳半ばを過
ぎてからのことである。
心構えとして「仁」、形式として「礼」を重んじる。秩序の基本は徳 にある。そんな自分の思いの丈をこの乱世という戦国時代に諸国に
説いて回ったのである。結局は失敗におわるが、逆に彼の精神(仁)
は国を越え時代を超えて、輝きを増していったのである。
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