坂本竜馬 1835〜1867
幕末、日本初の株式会社(亀山社中)を立ち上げ、政治的には 薩長同盟に奔走し、船中八策をまとめあげ、大政奉還(無血革命 )を成し遂げた。竜馬はドットコムの精神の持ち主である。北辰一
刀流の腕前をもつ。もともと商人の出ではあるが、その洞察力は
剣から銃、銃から国際法へと注がれていた。それは、個人の才覚
とともに、勝海舟や西郷隆盛との出会いがその先見性に磨きをか けた。だが、保守的な者にとれば、ころころ価値観が変わるようで、
本当に雲をつかむような人物に見えたに違いない。
幼少の頃の竜馬は泣き虫・弱虫の少年であった。それを逞しく
育てあげたのが、実姉の乙女姉さんであった、巷ではオトコ女と言
われるくらいである。土佐藩(高知)は当時の封建社会にあっても、
階級思想の厳しい所である。上位の武士は下級武士(帯刀を許さ
れた商人を含む)に対して、関ヶ原を遠因に虫けらの如く扱ってき
た。そんな中、乙女姉さんは竜馬を厳しく鍛え上げたのである。
大きな業績をあげた竜馬は暗殺という運命を辿るが、彼には権力
の座に座るという向きはなかった。彼の開明的な思想は常に桂浜 の対岸にあった。現在、政治も国際競争力が問われるようになって
きた。ここに日本人である竜馬の精神を呼びおこしたいものだ。
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