ニーチェ 1844〜1900
プロシア(ドイツ)の牧師の子として誕生。5歳で父と死別し、1864
年頃、ボン大学・ライプチヒ大学に入る。実存主義の先駆けとなる。
1870年、普仏戦争で負傷する。以後、執筆活動にはいる。ツァラトゥ
ストラかく語りきで、「神は死んだ、いや人間が神を殺したのだ」と。
知性の嘘を見抜いていた。キリスト教や社会主義は平等や博愛を
謳い上げるが、それは弱者の強者へ対する反感や憎悪を内包する
ものであると。何よりも小さい頃から慣れ親しんできた、キリスト教の
絶対者への服従や来世願望、それに関わる刹那的享楽や絶望的逃
避が許せなかった。彼は個人や組織を否定するよりも、キリスト教界
を否定し、形而上学を否定した。又、一般道徳を否定したために孤立
していった。後に、発狂し療養生活を続け、人生の幕を閉じた。
人々の心にあるルサンチマン(復讐心)を直視し、そこを起点に受
動的・ニヒリズム(虚無主義)を克服し、能動的に生きることを提唱し
た。それは超人や永劫回帰の世界観からみてとれる。そしてニーチェ
自身も、それを克服する途上にあったのではないのか。
|