ルソー 1712〜1778
ジュネーブで生まれ、家庭運に恵まれなかった。ルソーは教会で
音楽教育を受けたことがあるが、学校教育は一切受けたことはな
い。16歳の時、放浪の旅に出る。1749年に懸賞論文に応募し、高
い評価を得て、名前が知れ渡るようになる。1762年「社会契約論」 と「エミール」を出版し、読者も得たが、逮捕状も出され、その後、ス
イス・イギリス・フランスなど転々と亡命生活を送る。
ルソーの考えは「人間は生まれた時は、自由・平等・幸福である。
しかし、社会や文化に規制されることにより堕落してしまう」という。
だから、人間本来の姿を回復するんだ、「自然に帰れ」という。そし て、それは政治哲学として広がりをみせる。つまり、私有財産制に
より自然状態から社会状態へ堕落してしまうといい。又、直接民主
主義と権力集中制を備えた社会主義社会を描き出す。ルソーは、
本来財産は、神所有のものとして「自然に帰れ」と説いたのである。
マルクスは、無神論で私的所有を社会悪とした。
ルソーは人間自身について、「人間は自然感情をもって生活をす
る」という。人間の本性は自己愛であると捉える部分は全く共鳴で
きる。そして、人間の本性の探究はフロイトへと受け継がれていく。 ルソーは絶対なる静溢を求めて神に命を捧げる人であった。
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